On parle du Mondial du Chasselas au Japon

| 5 octobre 2018 | 0 commentaire

ドイツ・ハンブルク発 世界のワイン情報 vol.12「国際シャスラコンクール Mondial du Chasselas エーグルで開催」

スイス西部地域は白ワイン品種シャスラの世界最大の生産地(4500ヘクタール)だ。

シャスラはドイツではグートエーデルといい、バーデン地方のマルクグレーフラーラント地域(1050ヘクタール)とザクセン地方(30ヘクタール)でも生産。ほかには、フランスのアルザス、サヴォア、ロワール地方、ルーマニア、ハンガリー、チェコなどでも栽培されている。

スイス、ヴォー州のエーグルでは毎年、国際シャスラコンクール「Mondial du Chasselas(モンディアル・ドゥ・シャスラ)」が開催されている。主催者は地元のシャスラ・プロモーション協会(APC)。2010年にスタートしたコンクールで、今年は第7回目にあたる。

同コンクールは、ドイツ、バーデンヴァイラーのグートエーデルコンクール「Gutedel Cup(グートエーデル・カップ)」(マルクグレーフラー・ワイン協会主催、今年は第22回目)と提携関係にあるが、世界最大のシャスラ産地で開催されるコンクールゆえに、エントリー数は「モンディアル・ドゥ・シャスラ」の方が格段に多い。その数は毎年増加傾向にあり、いまやシャスラの生産者にとって、無視できない重要なコンクールに成長している。

今年のエントリーワイン820本の内訳は、ほとんどがスイス産。そのほか、ドイツ63本、フランス30本、カナダ、ハンガリー、米国、メキシコ、ウクライナからは、それぞれ1本ずつエントリーがあった。

コンクール審査風景

今年の審査は6月1日と2日に開催され、スイスを含む14カ国からの審査員41名が、OIV方式で審査を行なった。私も3年前から審査を務めている。OIV方式では、入賞ワインをエントリー数の30%以下とする規定がある。今回は101銘柄が金賞を、64銘柄が銀賞を受賞、6月29日に授賞式が行なわれた。

 

 

 

 

2018年の各部門最優秀賞の受賞者たち©Edouard Curchod, Vevey

各部門において最高得点を獲得したワインは以下のとおり。

最優秀賞/Cave de la Côte, La Montoise Esprit Terroir, 2017, AOC La Côte
甘口最優秀賞/Patrick Fonjallaz, Récolte Choisie, 2016, AOC Dézaley Grand Cru
特別醸造法最優秀賞/Weingut Kiefer-Seufert, Gutedel Brut, Deutscher Sekt, Baden
スウィング最優秀賞/Weingut Zimmermann, Grüner Markgräfler, 2017, Baden
オールド・ヴィンテージ最優秀賞/ヴォー州最優秀賞/全カテゴリー最優秀賞/
Château de Châtagneréaz SA, Château de Châtagneréaz Grand Cru, 1998, AOC La Côte
ヴァリー州最優秀賞/Christian Crittin, Fendant Ravanay, 2017, AOC Valais
ヌシャテル地域最優秀賞/Cave des Lauriers, Le Charmeur Cave des Lauriers, 2017, AOC Neuchâtel
ジュネーヴ地域最優秀賞/Domaine les Hutins, Chasselas de Dardagny, 2017, AOC Genève
ドイツ産最優秀賞/Winzerkeller Auggener Schäf eG, Auggener Schäf Gutedel eiswein Barrique, 2016, Baden
フランス産最優秀賞/Cave viticole d‘Ingersheim Jean Geiler, Chasselas, 2016, AOC Alsace
生産本数15000本以上の最優秀賞/Philippe Varone SA, Fendant Soleil du Valais, 2017, AOC Valais

モンディアル・ドゥ・シャスラにおいて、個人的に興味深いのがオールド・ヴィンテージ部門だ。同部門では、30年以上前のヴィンテージがエントリーすることは珍しいことではない。今年は、一番古いもので1984年、一番新しいもので2011年のワインが入賞している。世界的にはまだ知られてはいないが、ドイツにおけるリースリング同様、シャスラからは、長期熟成する偉大なワインがいくつも造られている。そのほとんどがヴォー州産だ。

審査初日の午後に行なわれたオブリスト社(本社、ヴォー州ヴェヴェイ)での試飲会では、同社の「クロ・ドゥ・ロシェ」(AOCイヴォルヌ)の2009年、16年ヴィンテージと、 「クーレ・ダタラン」(AOCシャルドンヌ)の1987年、99年、09年ヴィンテージを味わった。

オブリスト社が所有するクーレ・ダタラン醸造所のシャスラ。99年産はいまだみずみずしさを失っておらず、トーストやドライフルーツの風味が重なる。87年産はミネラル香とカラメルの風味が出ていた。ヴォー州産シャスラの寿命は長い。

ヴォー州では大切な客人をもてなす時に、シャスラのオールド・ヴィンテージを振る舞う。若いシャスラは、白い花や柑橘類、白桃、黄桃などの風味が楽しめるが、熟成したシャスラには、ナッツやハチミツ、ドライフルーツなどの熟成香がたちあらわれ、魅惑的な味わいとなる。

Text:Junko Iwamoto
Cover Photo:©Edouard Curchod, Vevey

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Category: Mondial du Chasselas 2018

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