Le Non fitré vu du Japon

| 14 janvier 2020 | 0 commentaire

Article de Junko Iwamoto, juge au Mondial du Chasselas, sur le Non filtré paru le 23 décembre sur le site Winart.

Article en japonais de Junko Iwamoto, juge au Mondial du Chasselas, sur le Non filtré paru le 23 décembre sur le site Winart.

2019年5月、スイスで行なわれた「第8回・国際シャスラコンクール「Mondial du Chasselas(モンディアル・ドゥ・シャスラ)」に再び審査員として参加した。

今回初めて「ノン・フィルトレ(Non-filtré)」というカテゴリーのワインを審査した。白品種シャスラで造られる、酵母の澱をろ過していない濁ったワインだ。グループで試飲したのは10本。いずれも味わい豊かで、みずみずしく、ハイレベルで興味をそそられた。グループ内のほかの審査員の評価も高かった。

試飲した「ノン・フィルトレ」のうち、グループ内で一致して高得点だったのがヌーシャテル産だった。この審査を通じて初めて、ヌーシャテル地域に「ノン・フィルトレ」の伝統があることを知った。

ヌーシャテル地域は「三湖地方」と呼ばれるワイン産地にある。三湖とは、ヌーシャテル湖(独/ノイエンブルガー湖)、ビール湖、 モラ湖(独/ ムルテン湖) の3つの湖のことで、ヴォー州、ヌーシャテル州、ベルン州にまたがる地域だ。 ヌーシャテル湖(220平方キロ)は、大きさではレマン湖(580平方キロ)に及ばないが、全域がスイス国内にある湖としてはスイス最大である。同産地のワイン造りの伝統は、1000年に及ぶ。

「三湖地方」のブドウ畑の総面積は1000ヘクタールほどで、それぞれの湖岸の、南向きのゆるやかな傾斜地や平地で栽培が行なわれている。気候は温暖、降水量は年間1000ミリ以下、土壌はジュラ石灰が支配的だ。栽培品種の8割がシャスラ種。このほか、白品種ではピノ・グリ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、赤品種ではピノ・ノワール、ギャマレ、ギャラノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックなどが栽培されている。

ヌーシャテル地域で「ノン・フィルトレ」が誕生したのは1974年のこと。同地域では当時、ブドウが不作でワインが不足していた。醸造所には買い手が殺到し、できたばかりの新酒を、ろ過せずに販売しなればならないほどだったという。

この濁った白ワインは顧客に好評で、その後も継続的に生産されるようになった。現在では、全生産量の約10パーセントが「ノン・フィルトレ」として出荷されている。「ノン・フィルトレ」は、毎年1月の第3水曜日に、ヌーシャテル市の市庁舎でプレゼンテーションされ、真っ先に市場に出回る。

コンクール終了後、審査員一同で、ヌーシャテル地域オヴェルニエ村にあるシャトー・ドヴェルニエ(Château d‘Auvernier)を訪問した。1603年創業の伝統ある家族経営の醸造所で、現在のオーナーはティエリー・グロージャン(Thierry Grosjean)氏。所有畑は64ヘクタール。生産量はヌーシャテル地域の総生産量の約10パーセントに相当する。主力製品はウィユ・ド・ペルドリ(Oeil de Perdrix)と呼ばれるロゼ(ピノ・ノワール)で、売上の4割を占めるという。

シャトー・ドヴェルニエの「ノン・フィルトレ」に使われているブドウは、シャスラ・フォンダン・ルー。グレープフルーツを感じさせる風味が印象的だ。フォンダン・ルーは、スイス西部でポピュラーなシャスラのクローンのひとつで、収量が少なく高品質のワインができる。

「ノン・フィルトレ」は、通常のシャスラよりもボリューム感があり、よりミネラル系の風味を感じるので、塩を利かせた食事によく合う。チーズなら、スイスのパルミジヤーノ・レッジャーノなどと言われる、熟成したスプリンツ(スイスの超硬質チーズ)がおすすめだ。

Château d‘Auvernier
https://www.chateau-auvernier.ch/

Text:Junko Iwamoto

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Category: Articles généraux sur le Chasselas

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